「悔悟」解説

「悔悟」、読んでいただけたでしょうか。
だらだらと説明的な文章ばかりで、かなり読みにくかったと思います。
読み返した際、書いた自分でも何が言いたいのか分からないくらいでしたから…。
意味不で申し訳ないです。
このままではまずいと思うので、今回は補足という形で何が言いたかったのかを説明したいと思います。
もちろん、完全に独りよがりな考えなので、あまり真剣に受け止めないでください。
あと、先に言っておきますよ。か~なり青臭いです…笑

『森を侵した人間が、わが牙を逃れるために投げて寄越した赤子がサンだ』
本編で、モロはサンについてそう語りましたよね。
サンが人間を許すことができない理由の根幹は、きっとここにあると思います。
同じ人間に捨てられた...。
いわば身代わりとして捧げられたわけですよね。「森を侵した人間が」自分達の命を守るための。
サンが殺されるかもしれないのにも関わらず...。
でも、じゃあサンを身代わりにした人達を非難できるのかといえば、できないですよね。
もし、自分を含め家族や友達が殺されそうになった時、まだ物心ついていない幼児一人を捧げれば全員の命が助かるとしたら、どうします?
例えば、自分自身を含めた家族や友達など10人の命と、物心ついていない幼児一人の命。どっちをとるのかという話です。
究極ですよ。これは。
でも、サンを投げ出した人達はこういう選択に迫られたということですよね。理由がなんであれ。
もし自分一人の命と幼児一人の命であれば、まだ「俺は自分を犠牲にするぜ!!」という人は多いかと思います。(自分は正直自信ないですが...)
でも、そこに自分以外の人達の命が関わってくるとしたら...。それも、その人達の中に家族や友人、あるいはまだ小さな子供もいるかもしれません。そういう人達の命と、赤子一人の命、どちらを選ぶかってことでしょ?
...言えませんよね。答えられないですよ。
だって、どちらも同じ人間ということは、最終的に数で論じることになるんですから。こりゃあ無理ですよ。
「数で命を論じるなんて、なんてことを!!」とか思うかもしれませんが、何を考えてたってそうなる時はそうならざるを得ないんですから...。
「同じ人間といっても、赤子には将来があるから赤子を優先すべきだ!!」という方もいるかもしれませんが、それは比較される自分の家族や友人に子供がいたら同じことでしょう。
とにもかくにも、サンを捨てた人達をとやかく言うことはできないんですよね。
だって、もし「もののけ姫」を見てサンのことをかわいそうと思い、サンを捨てた人達を否定的に捉えるならば、それは自分の家族や友人やその子供全員の命よりも、赤子一人の命を選ぶということに等しいはずなのですから。
だからといって、自分の家族や友人、その子供の命を優先して、赤子一人の命はあきらめると明言するのは、はばかられますよね。(だからこそ、人間ってのはそんなもんなんだと思わざるを得ないわけですよ。)
人が持つ、こういうどっちつかずの考えで、自分の中の理想を両立させようとするところが、モロは気に入らないのかもしれませんね。
でも、だからこそですよ。
じゃあそのサンを捨てた人達が、なんのためらいもなしにサンを身代わりにしたかといえば、それは違うだろうと。
絶対迷いましたよね。一瞬でもなんでも。
サンを身代わりにした人達も、サンも、どっちも助かるのが理想でしたでしょうから。
どちらを選ぶかという時に、理想は追い求めながらも、やむを得ず自分達の命を選んでサンを身代わりにしたということではないかと。
そしてその後、後悔したであろうと。
今回書きたかったのは、まさにそこなわけです。
「サンを身代わりにした後、絶対後悔しただろうな~。」っていう、そこです。
今回の話の中で登場した人間の母親は、サンの母親なわけですが、後悔してますよね。
だって、サンをモロに捧げたその場所で、捧げたのと同じ時間に、毎日毎日サンを待ち続けていたわけですから。
例えサンを捧げた後に、サンと同じ女の子が生まれようと、その後悔が消えることはないですよ。やっぱり。
もちろん、後悔したところでサンが母親達を許すかといったら、それはまた別問題なわけです。
例えサンが母親の後悔を知ったところで、本編ラストシーンのサンの台詞「人間を許すことはできない。」が変わることはなかったでしょう。
だって、ですよ。
むしろサンからすれば、理想を求めながらも結局はサンを身代わりにしたという人間達の行為は、本編でモロの云う「いかにも人間らしい手前勝手な考え」方に他ならないわけですし...。
一方、そのモロはといえば、サンの母親が後悔しているのを知っていたんじゃないかと。(同じ母親ですし...)
そして、サンの母親が毎日あの場所で待ち続けていたのも知っていたんじゃないかと。
だけど、モロの目にはその行為がなおさら「独りよがり」に見えていたのかもしれません。
モロは、「後悔するなら始めから子を身代わりに捧げるな」と言いたかったでしょうね...。
それはサンにしても同じでしょうけど...。
ただ、それでも「もしサンが母親の後悔を知っていたら、サンの人間に対する感情は少しでも変わっていたんじゃないだろうか」と、思ってしまうわけですよ。
話の中でキーとなるものに、花の冠があります。
要するにこれは、サンの中での人間の象徴ですよね。
「花の冠=サンの中の人間性」という感じでしょうか。(以下は置き換えて読んだ方がいいかもです。)
サンが最初に人間を目にした時、彼女の目にはその花の冠がかわいらしく見えたわけです。
しかし、それは次第にしおれていって、モロの話を聞いた後にはもう枯れてしまっているんです。
そして、最終的にサンはその花の冠を川に投げ捨てたんですよね...。(これが何を意味しているのかといったら...)
でも、もしサンが自分の母親が後悔していたということを知っていたら、その花の冠を捨てることはなかったかもしれないなぁと。
どんなに枯れても、その花の冠は捨てることなくずっととっておいたかも、と思っちゃうわけです。
自分を身代わりにした母親の悔悟。
それを知っていたかいないかの違いはその程度かもしれませんが、それでもやっぱりその違いがあるのとないのとでは、全然意味が異なるような気がします。とりあえず、自分が書きたかったのはこんな感じのことです。
暗いですけど、自分にとっては「もののけ姫」ってこんな感じです。(だからあまり人に語れないという...)
青臭い上にとてつもなく長い駄文を読んでいただき、ありがとうございました!! 

Since 11 May 2010
Powered by Webnode
無料でホームページを作成しよう! このサイトはWebnodeで作成されました。 あなたも無料で自分で作成してみませんか? さあ、はじめよう