この季節といえば・・・
少し暖かくなってきましたね!
山にも春がやって来ているなぁと実感するここ数日です。
仕事の昼休憩中なんかも、日陰しかない現場でもここ最近は凍えるようなこともなく、だいぶ寒さが和らいでいる印象。それどころか、昨日から入った現場は日当たりが良いので、日なたで仕事していると少し暑いくらいです。とはいえ標高が高いので、午前中は地面は凍ったままの状態。もう一人が乗っている重機は滑りまくるし、自分もスパイク足袋を履いているにも関わらず、重機の目の前でチェンソー持ったまま、すってーん、と思いっきり足を滑らせて転んでしまって、めっちゃ恥ずかしかった…。
さて、少しづつ暖かくなってくるこの季節といえば、いくつか思い出されることが。
まず花粉ですよね~。自分も小さい頃から花粉症持ちです。(でも、林業始めてから若干良くなった気が)
すでにかなり飛んでいて、風が吹くとクリーム色の粉が大量に飛散してます…笑
おかげで仕事帰りの車にも大量に付着してますよ…。
ヒノキはもう少しあとですかね。
次に、いよいよ活動が活発になる動物達でしょうか。
とくに熊。すでに先月の終わりに町で熊の目撃情報が放送されていましたので、すでに活動開始済みのようです。
熊に関してはこの目で見たことはないのですが、独立前にいた会社で静岡県境に近い山奥で仕事をしていた時に、自分のすぐ後ろを熊が走っていったそうで、一緒にいた後輩が「○○さん、今、熊が通りましたぁ!!」と叫んで知ったということはありました。
山仕事をしていると、同業者や鉄砲撃ちの人から熊の目撃に関するちょっとおもしろいエピソードを聞くことが多いのですが、個人的には出くわしたくない動物です。
熊以外でこの季節に思い浮かぶのが、カモシカ。なぜかカモシカってこの時期に出くわすことが多いんですよね…。はっきりした理由は分からないのですが、もしかしたら山の麓の方から暖かくなっていくので、食べる物が標高が低い方から生えてくるということで、餌を求めて高山から下ってくるのかもしれないです。
この時期のカモシカは毛皮の色が濃いので、よく熊や猪と見間違えます。自分も何度かやらかして、一度、林業二年目の時に熊と見間違えて先輩達に「熊!」と注意を促したら実はカモシカだったという恥ずかしいこともありました。(とはいえ、鉄砲撃ちの人達でさえ見間違えることがあるそうなので、そんなに恥ずかしいことでもないのかもしれませんが…)
カモシカって全然逃げないんですよね…。ぽけーっとしてて、自分も3メートルほどの距離でしばらく見つめ合ったこともあるのですが、あれじゃあ絶滅危惧種になるわな、という感じです。
あと他の動物でいうと、もうホトトギスは鳴いています。今はまだ風情がありますが、これがもう少し経つとうるさすぎるくらいに聞こえてくるはず…。
この時期で思い浮かぶ動物といえばこんな感じでしょうか…。鹿や猿は年中見まくるし、猪も姿はたまにしか見ないけど、あちこち掘り返しているので存在はとても身近に感じます。リスも、まだ寒い時期から意外と針葉樹林でもよく見かけます。黒木林で何食べてんだろうと思いますが、意外と人工林にいるんですよー。
野兎は一度観たことがあります。でもそれ以外は小さい苗木の皮が剥かれていることで存在を感じるくらいです。
テンだかイタチだか分かりませんが、そういう類のやつも一度見たことがあります。
狸や狐に関しては、山で見たことはないんですよね。狸に関してはむしろ、山に近い住宅街や国道などで轢かれて死んでいるのを見ることが多いです。鹿もよく轢かれていますが。
そういえば、もう一つ、この時期に山でよく見かける動物が。
…人間です。笑
そう、山菜採りですね。
これがまた、多いのなんの。
もちろん、付近の山で何がどこに生えているのかを知っている同業者や鉄砲撃ちなどは当たり前なのですが、意外と多いのが県外ナンバーの車で来ている方達。
自分は山菜に興味がないのですが、好きな人は本当に好きですよね~。
でも、そういう人たちの中にはちょっと勘弁して欲しいような人達もいます。
公共事業で造林あるいは再造林(伐採した後にまた苗木を植え、その後も管理していくこと)した現場では、ここ十数年、鹿の食害が酷い(おそらく皆さんの想像を超えています)ため、造林地の周りに鹿の侵入を防ぐためのネットを張る仕事があるんです。
で、まぁ大抵はネット設置後もいろんな理由で少なからず鹿が侵入してしまうのですが、どうも時々、人間が侵入しているようなんですよ!
もちろん、植付け後も業者はその後何年かは下刈りなどで造林地に入るため、数ヘクタールを囲むネットの数か所に開閉可能な出入り口を設けています。同業者はそれを知っているので、初めての現場でも、大抵入口を探して現場内に入ります。
ところが、年に何度かするネット設置後の見回り点検・補修の時に、ごくたまにではありますが、明らかに刃物でネットを切った形跡が見つかることがあるんですよ!
先月見回った現場に、ありました…。
もう、ダイニーマ素材のネットをまっすぐマス目に沿って、ものすごい綺麗な切り口で切ってあるんですよね…。
会社時代にも、上司が見回った現場で「どう見ても人が切ったような跡があった」という話を聞いたことがあったのですが、その時はまさかそんなことする人がいるとは思えなかったので、自分も話半分に聴いていたのですが、先月みた現場では近場の複数の現場でそういう形跡があって、確かにこの目で見るともう人が刃物で切ったとしか思えないような切り口なんですよ…。
で、今回も、会社時代の上司が言っていた時も、見つかった時季は今くらいの時期なんです。(見回り自体は年に五回ほど)
確証はないので、人を疑うようで悪いような気持ちもあるのですが、同業者や鉄砲撃ちはそもそも鹿の獣害に対して理解があるので、もしかしたら一部の山菜取りの人が、日当たりのよい造林地に侵入したいがためにやったのではないかと…。(実際、造林地は日当たりがよいためにタラの芽がよくでます)
いずれにしても、本当やめてほしい。
先述のように、何もしなくてもいろんな原因でネットの内側に鹿が侵入してしまい、穂先や表皮をかじることで植えた苗木を半分以上枯れさせてしまうことは珍しくないのですが(そうなった場合、植付けやり直し。最高で4回植え直した現場も…)、人間が原因でネットが切られてそこから鹿が侵入するというのは、自然相手だから仕方がないとかではなく、ぜんぜん話が違います。
こっちがひーひー言いながらネットの資材を背負子で現場まで背負い上げて、汗まみれ土まみれになりながら一日200~400本の苗木を植える作業を、数ヘクタールが終わるまで何日も続けてやっと完了した現場を、なんだか分からない奴のために台無しにされるというのは、哀しいし腹が立つし呆れるし嫌になりますよ!
しかも、広大な現場をネットを張ってまで造林するのは基本的に公共事業なので、イコールお金の出処は税金なんですよぉ!
それを無駄にされたんじゃたまらん!
どうなってんだ、世の中!
とにかく、人の手によるものであるのは間違いないので、今後はそういう人間がこの時期に出没しないことを祈ります。
って、ずいぶん話が飛んで、だいぶ発狂してしまいました…。
本当はこういうことを書きたかったんじゃなくて、暖かくなって生き物達が活動的になってくるこの季節を、サンや山犬達、アシタカ含め踏鞴場の人達の生活の営みもまとめて二次創作で描きたいなーというのを書こうとしていたはずなのですが…笑
動物や、山菜やタケノコなど恵み豊かなこの季節は、きっと彼らにとって貴重な時期だったのでしょうね。
猪や鹿の肉も何度か食べたことありますが、本当に料理が上手な方が作るものはとてもおいしいです。(血抜きも大事ですが、鉄砲撃ちから肉をもらった直後の下ごしらえ?のようなものが重要だそうで、現場でご一緒した80歳の元板前の土建屋さんが仰っていました。なんと現場でお昼にシシ鍋を振舞ってくれた!)
逆に、下ごしらえの上手くできていない鹿や猪の肉は、硬いし少し匂うし、ゴムを食べているような感じで、とても食べられたものではないです。実際にどっちのパターンも食べたことあるのですが、天と地ほどの差があります。(下ごしらえなんて出来ないので、偉そうなこと言える立場ではありませんが…)
春から梅雨、夏へと、ここからもう少し時が経ってくると、今度はハエやブヨ、ヒルが出たりして、じめじめとした嫌な感じの季節になってしまうので、描くならこの季節が最も爽やかな雰囲気を出せるような気がします。
どこかでそういう二次創作を書きたいのですが、いつになることやら…。
いつも通り、話がまとまらずに色々書き散らしてしまいましたが、今回はこのへんで。
暖かくなってきたとはいえ、朝と昼の寒暖差が激しい時期でもあるので、皆さん体調にはお気をつけて!
それではまた!!
ごきげんよう!! ←言ってみたかった…笑