人を雇って思うこと
仕事の話になります。
現在、独立後では初めてとなる公共事業の下請け仕事をしています。
企業にとっては小さな仕事なのかもしれませんが、個人にとってはそれなりの規模・金額となる事業で、さすがに自分一人ではやっていけないので、個人事業主仲間にお手伝いをお願いしている状況です。
公共事業の下請けなので、来てもらっている皆さんには臨時雇用という形でお手伝いをお願いしているのですが、これがまた色々と難しいんですよ…。
保険関係や資格はしっかりと管理しないといけないですし、皆さんの日程調整とか、各自の仕事量や技術を考慮した上での作業配分とか、日当の支払いとか考えないといけないことも多いです。
現場が止まらないように段取りを詰めないといけないけど、お手伝いさんが急に来れなくなったり、雨で休業が続いたりと、上手くいくことは皆無で、こういう現場管理は精神的に図太くないとできないなと実感している毎日です。
元請けさんや役所の都合もあって突然予定に無かった仕事が出てきたりすることもありますし、自分も現場で作業しながら全体の管理や事務仕事もしなければならないので、忙しいし疲れます…。
まさか自分がこういう規模の仕事を請けでやることになるとは思わなかったです。やはりとても勉強になりますし、たしかに労力がかかる分、利益も大きいので、これが終わったらちょっと自分へのご褒美でも買おうかなと思っています。
人を雇う立場になるなんて一年前までは思っていなかったですし、そもそも人を雇うと大変そうだから自分独りでやっていこうとずっと思っていたので、こんなことになっている現状に驚いてもいます。
やっぱり、人生ってどうなるのか分からないものですね。
個人事業主から会社に成った人に聞いた話の中で、心に残った話が一つあります。
独立して何年か経ち、ある程度は存在が知られてきた上で仕事もこなせるようになってくると、あとはもう自分の意志ではなく、世の中や周囲の状況に流されていくだけになる、と。
確かに今、そうなりつつあります。
自分がやりたい仕事のため、あるいはお付き合いのある業者様との関係を維持していくため、はたまた自分を頼ってくれた依頼主の方への期待に応えるため……色々な理由の中で、こうしなければこの仕事はこなせない、こうならなければこの仕事に入れない、というような状況が目の前に出てきつつあります。
それは具体的に言えば、今回のように自分独りでは出来ないから人を雇わなければいけないだとか、公共事業の下請けになるには県の入札資格があるとやりやすいから入札資格をとらなければならないだとかです。
さらにそこから、人を雇うには保険関係や賃金の支払いもしっかりしなければいけないし、入札資格を取るにも特定の条件を満たさなければいけないし…といった具合に、続々と壁が出てきて、それを乗り越える必要性が出てきます。
当初は全く考えていなかったどころか避けてさえいた法人化(会社化)についても、今となってはそうしなければならないかもという状況です。
それは、個人事業主では公共事業に入りにくいという近年の世の中の流れからです。つまり、行政の方針や法律などにも大きく影響を受けるわけです。
人手不足の業界の中で、元請けさんが新たに仕事を任せられる人間を探すようになってきているという現状もあると思います。
(実際に今の公共事業に入って以降、別の人から「こういうでかい仕事があるんだけど、法人じゃないと出来ないから、会社に成ってやってみないか?」という話も頂くようになってしまいました…今回はそれどころではないので断りましたが…)
今まで、個人事業主の人が法人化したり高額な重機を購入したりするのを見て、儲かってるんだなぁくらいにしか思っていませんでしたが、だいたいみんな話を聞くと「そうしないと目の前の仕事がこなせないからであって、別に儲かってるわけじゃない。もう成るようになれって感じ」というようなことを言うんですよね。
今ここにきて、やっとその状況が理解できるようになりましたよ…。
自分独りで小さくやっていくつもりだったのですが、人との信頼関係を壊さないようにしたり、自分のやりたいことを実現していくためには、考えていなかったこともやっていかなければいけないんですね…。
難しいです。
これからどうなっていくのか分かりませんが、身の程をわきまえた規模でやっていきたいので、あまり世の中に流され過ぎないようにしたいと思います。
ジブリ好きな皆さんには全く関係のない話でしたが、ご容赦ください。
好きなように書いていきますので!
それではまた来月!