猩猩の長

2020年09月03日

今回も、その後の話を書いていく上で考えたことについて少し。

第三章にて、主要な出番&セリフのある唯一のオリジナルキャラというか、本家には登場しない新キャラを出しました。

猩猩達の長(おさ)です。

当然、勝手な捏造キャラですが、ただ個人的には十分いてもおかしくはない登場人物…というより登場もののけだと思います。

理由は以下の通りです。

まず、本家に猩猩達が出てくるシーンを見ると、群れで行動しているように見受けられます。

それに加え、「もののけ姫」において猩猩は猿のような容姿で描かれていて、その動きも猿や類人猿のようなものでした。

猿のように群れで行動しているということは、その群れをまとめるためのボスがいるということは十分考えられます。実際の猿がそうなので。(というか、本来群れで行動していないはずの猪まで一族という概念をもって乙事主のもとに集まっていたので、どのもののけにもそのリーダーのような者がいると考えていいかもしれません…)

普通の猿であれば強い者がボスになるのかもしれませんが、猩猩達は森の賢者と呼ばれているだけあって、そこは知識の豊富な年長の者がなるのでは? と思い、今回の設定では毛並みの白い齢400歳くらいの猩猩ということにしました。(一応モロが300歳、乙事主が600歳ということで、両者の中間にしました)


物語上も猩猩達をまとめる役がいるというのは大事です。

それまで植林をして森の回復を手伝っていた猩猩達が、その後においてどのように行動するかというのは、シシ神&踏鞴場のその後を考える上で重要になってきます。

彼らがその後も木を植えるのか、植えないのかを考えていくと、猩猩一族全体の意思決定をする者が必要になってきます。さらにいえば、森や踏鞴場のその後を左右する重要な存在である猩猩達を物語に登場させるには、やはり誰か代表がいなければ、サンにしても踏鞴場の人間にしても、彼らと絡ませることが難しいです。

まぁ、ただ単に、猩猩達が無秩序にみんなバラバラに行動をしていては、その後の動きを描くのが難しいということです。サンは本編中での猩猩達との会話から、おそらくその後でも彼らと森のことで何らかの話をするだろうということで、ここでもやはり猩猩達の代表者がいると、サンとの意思疎通を描きやすいんです。

そんなこんなで、猩猩の長というのは設定的にも物語を描く上でも登場しておかしくない(話を進める上でも助かる)ので、今回ついにオリキャラ登場となったわけであります。

本当は名前を付けようかと思ったのですが、なかなかいいのが思いつかなかったので、ただ「長」ということにしました。


おもしろいのは、こういうオリキャラを造っていると、いつのまにか他の本家キャラ達との裏設定のようなものが浮かんでくることです。

長とサンの会話に少し反映させたのですが、一応、猩猩の長とモロは、歳は猩猩の長の方が上ですが、同じころにそれぞれの一族を率いる立場になって、それからお互い良く知った仲になったということにしてます。

なので、サンがまだ赤子の頃にモロの娘として育てられることになった時、一応モロは人間の姿をしたサンが自らの子であることを猩猩一族に知らせるために、小さなサンを口にくわえ、猩猩の長にお披露目にいった…という感じです。笑

そしてその時に、モロが人間の赤子を自らの子として育てると言うので、長はあまりに驚いて「モロ、主もついに呆(ぼ)けたか」と言ったと。


今後はオリキャラ登場は予定していないのですが、どこか別のところでそういうのを描けたらいいなと思います。

勝手な設定を考えるのがけっこう楽しいです。


ということで、ちょっとしたその後小説の裏話でした~。





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