1.2次創作品? 「藤ノ葉」
1次創作というか、1.2次創作というか…。とにかく、当サイトのメニューに「仮置き場」を追加し、オリジナル小説を一時的に置いておくためのスペースとしました。
第一弾が「藤ノ葉」(ふじのは)。
「あれ、何か聞いたことあるようなタイトルだけど…」という方は、気が合うかも!
そう! あの「葛の葉」、「信太妻」で知られる伝承を原案として、まったく違った作品にしちゃったというのが今回の「藤ノ葉」です。
といっても、舞台が同じというのと、名前が似てるということ以外は、ほぼ無関係。
一応、あらすじ↓
<あらすじ>
今は昔、和泉の国に村部保郁(むらべのやすか)という薬売りがいた。ある日、薬草を求めて山奥に入った保郁は、そこで美しい娘と出会う。娘の名は、藤ノ葉(ふじのは)。一春を共に過ごした保郁は、その娘に想いを伝えるが......。
短編ですが、文体はかなり実験的なものになっています。
実は、この作品は大学時代の2012年頃に、内容と文体を合わせて一つの作品に、と考えて構想していたものでして、もののけ二次創作を書いていた当時(今も書いていますが…)に少しだけ書いて、結局もののけ二次創作に集中していったことで、何年もそのままになっていたものを、今回また制作再開したというわけです。
今思うと無謀な文体でして、現代文に半端に古文が混ざり、口語体と文語体が混ざり、挙句に和歌が入るという滅茶苦茶なもの。
一応、和歌に関しては、大学時代当時に、高校時代の古文の教科書&辞典を実家から引っ張り出して、調べながら考えました。が、和歌以外の今になって書いた文も含め、たぶん間違っている部分がけっこうあると思います。
ただ、個人的には文章はあくまで手段であって、目的であり大事なのは、そこに乗せた「伝えたいもの」を伝えることだと思っているので、多少変でも、ある程度それが伝わっていれば、まぁいいのかなという感じです。(もちろん、間違っていたら恥ずかしいですし、直したいですが。とはいえ、そこばかりに執着していると、大事なことを見落とすかもしれないですし、何より制作が先に進まないので。)
今回、初めて(短編とはいえ)一次創作(1.2次創作?)を完成させてみて、思ったのが、登場人物の関係性を築き上げていくことの難しさ。
オリジナルの物語が頭の中にいくつもあるとはいえ、今まで実際に書いてきたのは二次創作ばっかりだったので、登場人物の関係性を築き上げる過程というのが省かれていたんですね…。
当然、二次創作はもとの作品の中ですでに登場人物同士の関係が出来上がっているので、二次創作ではそれらをもとに書いていけばよかったわけです。
ちょい役ならば、関係性もそこまでじっくり煮詰めて描いていくこともないのかもしれませんが、一からオリジナルとなると、主要な登場人物間の関係が成立する過程を、ちゃんと説得力をもってじっくり描いていかなければ、物語にうまく入っていけないなぁ、と、今回思い知らされました。
「藤ノ葉」は、自分の中では真っ先に完成させたかった頭の中の物語で、ほぼ自分のために書きました。なので、もしかしたらまたより良くするために、書き直すこともあるかもしれません。
ちなみに、以前ブログに書いた大事な曲「水月」と、学生時代に義太夫節について調べていた時に知った説経節の「信太妻」のイメージが重なって、それが頭の中で混ざった後に出てきたものが、今回の「藤ノ葉」でした。
もう10年近く前に構想したもので、当時はまだ20歳前後だったということもあり、今回改めて書き進めてみて、ストーリーがかなり「うぶだなぁ~」と、恥ずかしくなりました…。
文体については、はっきり言ってカオスですし、他にこの文体が使える物語も限られているので(まさか長編で使うわけにいかないですし、現代が舞台の物語にも合わないかなと。結局、昔話風の短編にしか合わないような気が。)、今後ブラッシュアップしていくかも、ちょっと考え物です。
そもそも、たぶん文法的に色々間違ってると思うので。
ただ、今回一つ、頭の中の物語を形にできたのは、収穫です。
今後はまたもののけ二次創作の方に戻りますが、またいずれ、オリジナルの妄想をアウトプットできたらなと、思います。
ということで、以上!